日本の中学校においては2012年から既にプログラミングが必修化されていますが、2020年からは小学校でもプログラミングが必修化となります。これにともない、近年では子供が取得できるプログラミングの資格も多数存在しており、小さなうちからプログラミングを学習する子供も増えてきました。
そこで今回は、子供でも取れるプログラミングの資格にはどのようなものがあるのか、資格取得のメリットなどについてご紹介します。
子供におすすめしたいプログラミングの資格
子供が取得できるプログラミングの資格は意外とたくさんあり、子供が興味を持った分野やレベル、今後の進路に合った資格を選ぶことができます。
ジュニア・プログラミング検定
ジュニア・プログラミング検定は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催している資格試験で、プログラミングを学んでいる子供向けの資格です。
具体的には、子供向けプログラミング言語のScratchを用いたプログラミングスキルを測る内容となっており、Gold、Silver、Bronze、Entryと4種類の試験が用意されています。それぞれ級に応じた難易度の問題が出題されるのですが、最も難易度が高いのがGoldです。
とはいえ、受験対象は小学生ですので、「おいかけっこゲームをつくろう」や「シューティングゲームをつくろう」といった親しみやすい問題になっています。
*受験資格
なし(想定受験対象は小学生です)
*試験概要
Scratchを用いて、問題文の条件を満たしたプログラミングを行い、得点率60%以上で合格。(Entryに関しては合否認定なし)
*問題に関して
Gold
複数の条件や道筋を組み合わせて理論的な考えができる。また、複数の条件分岐や演算を行い、さまざまなスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成できる。
(出題例:シューティングゲームをつくろう)
Silver
基本的な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。また、複数の条件分岐や入れ子構造のスクリプトなどを使用して、少数のスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成できる。
(出題例:計算ゲームをつくろう)
Bronze
単純な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。また、複数の条件分岐や入れ子構造のスクリプトなどを使用して、少数のスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成できる。
(出題例:レースゲームをつくろう)
Entry
単純な条件や筋道を用いた論理的思考ができる。また、複数の条件分岐や入れ子構造のスクリプトなどを使用して、少数のスプライトを連動させたScratchプロジェクトを作成できる。
(出題例:おいかけっこゲームをつくろう)
*受験料
Gold(1級) :2,900円(税込)
Silver(2級) :2,700円(税込)
Bronze(3級):2,500円(税込)
Entry(4級) :無料
Java™プログラミング能力認定試験
Java™プログラミング能力認定試験も、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催の資格試験で、資格は3級・2級・1級の3階級制となっています。
Javaの基本的な知識やプログラムが書けるかが問われる試験となりますが、3級・2級については選択問題となっているため、小中学生の子供でもチャレンジしやすいと人気です。
*受験資格
特になし
*試験概要
Java™に関する基本的な知識理解し、オブジェクト指向に基づくアプレットやアプリケーションプログラムが作成できるかを認定。得点率60%以上で合格。
*問題に関して
1級(150分)
パソコンを使用した実技試験となり、事前に公開しているテーマプログラム(2,200行程度)に対する仕様変更・追加に対応したプログラム作成、および変更仕様書の作成を行う。
2級(90分)
マークシートを使用した多肢選択解答形式となり、Java™プログラミングに必要な知識や技能を出題範囲に従って出題。
3級(60分)
マークシートを使用した多肢選択解答形式となり、Java™プログラミングに必要な知識や技能を出題範囲に従って出題。
*受験料
1級:7,600円(税込)
2級:6,200円(税込)
3級:5,100円(税込)
ロボットプログラミング検定
ロボットプログラミング検定は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が主催している認定試験で、ロボットを動かすための Scratch言語の習得度を認定する資格です。
試験は6級から1級までの6階級全てが選択問題となっており、最も難易度の低い6級では、ロボットについての基礎知識やモーターの仕組み、反復プログラムなどの問題が出題されます。また、当面はScratch言語を対象として開催されますが、今後は各ロボット製造メーカーが利用している言語を対象に開催される予定です。
*受験資格
特になし
*試験概要
Scratch言語を対象とし、ロボットの動作に関わるプログラミング問題を出題。
パソコンを使用したマークシート方式のCTB試験となります。
*問題に関して
1級(90分)
アークチュエーター問題/さまざまなセンサーの利用/構造化プログラム/計算プログラム/ランダムプログラム/応用プログラム/課題提示によるプログラミング実技
2級(70分)
アークチュエーター問題/さまざまなセンサーの利用/構造化プログラム/計算プログラム/ランダムプログラム/応用プログラム/課題提示によるプログラミング実技
3級(40分)
アークチュエーター問題/さまざまなセンサーの利用/構造化プログラム/計算プログラム/ランダムプログラム/応用プログラム
4級(40分)
アークチュエーター問題/さまざまなセンサーの利用/反復プログラム/条件分岐プログラム/計算プログラム/ランダムプログラム
5級(30分)
アークチュエーター問題/さまざまなセンサーの利用/反復プログラム/条件分岐プログラム/計算プログラム
6級(30分)
アークチュエーター問題/さまざまなセンサーの利用/反復プログラム/条件分岐プログラム
*受験料
1級:5,000円(税抜)
2級:4,000円(税抜)
3級:3,000円(税抜)
4級:2,000円(税抜)
5級:2,000円(税抜)
6級:2,000円(税抜)
プログラミングの資格を取得するメリット
「プログラミングが必修になるなら、わざわざ資格を取る必要はないのでは?」と思うかもしれませんが、資格があると進学や就職が有利になりやすいというメリットがあります。
プログラミング学習の必修化に向けて準備ができる
2020年度より、小学校にてプログラミング学習が必修となりますが、入学してから学習を始めると理解度が追い付かず、授業についていけなくなる可能性があります。
そのため、早めの学習準備として事前に資格を取得しておくと、プログラミング学習の予習ができることになるのです。
受験時にプログラミングの知識を証明できる
プログラミングの資格を持っていると、中学校や高校を受験する際の大きなアピールポイントになるほか、試験結果に良い影響を与える可能性があります。
また、子供のころからプログラミングに触れることによって学習に充てられる時間が多くなり、将来的に高度なプログラミング技術を習得することも可能です。
子供向けのプログラミング学習方法
子供のプログラミングの資格取得で問題になるのが学習方法ではないでしょうか?ここでは、子供が意欲的にプログラミングを学べる便利な方法を紹介します。
プログラミングアプリを利用する
インターネット社会となる現代では、プログラミング学習もアプリケーションで行うことが可能です。学習アプリのなかには、無料のものから有料のものまで多くのアプリがあり、子供のスマホやタブレットに入れておくことで、好きなタイミングで勉強することができます。
また、数ある学習アプリのなかでも特におすすめなのが以下です。
・ロボットに指令を出すアプリ
主に小学校低学年が対象となるアプリで、ブロックを組み合わせてロボットに「左を向く」「前に進む」などの行動をさせる内容となっています。ロボットを動かしてステージクリアを目指していくため、プログラミングの概念をゲーム感覚で身に付けていくことが可能です。
・課題文に合わせてコードを書くアプリ
表示される説明に従ってコードを書き、キャラクターを動かしながらステージクリアを目指すアプリケーションです。
課題文に合わせてコードを書く必要があるため小学校高学年向けとなっており、こちらもゲーム感覚でコーディングの基礎を身に付けることができます。
文部科学省が提供している「プログラミン」で学ぶ
プログラミンとは、主に小学校低学年くらいまでを対象にしたプログラミング学習サイトで、犬や猫などの絵の上に指示記号をドラッグすると絵が動く仕組みになっています。既に描いてある絵はもちろん、自分で好きな絵を描いて動かすこともできるため、お絵かきを楽しみながらプログラミング概念を理解することが可能です。
プログラミング資格は、進学や就職時の大きな武器になる!
今回、子供でも取れるプログラミングの資格をいくつか紹介しましたが、実際にはほかにもたくさんの資格が存在しますので、子供のレベルや好みに合わせて資格を選ぶことも可能です。
私たち大人にとっては難しいイメージのあるプログラミングですが、頭の柔らかい子供たちは興味本位でどんどん知識を吸収していきます。そのため、あまり深く考えずに軽い気持ちで学習を始めるのがおすすめです。
資格を取っておけば今後の受験や就職でも有利になる可能性がありますので、ぜひこの機会にプログラミング学習を始めてみてはいかがでしょうか。