高校生からプログラミングを学ぶのにおすすめの方法と言語

プログラミングしている画面

小学校の授業にもプログラミングが導入される中で、もはやプログラミング言語の重要性については誰もが理解しているでしょう。プログラミングを学ぶと、論理的な思考力を鍛えることにもつながります。社会に出る前に、プログラミング言語の基礎だけでも身に付けてほしいと考えている保護者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、高校生がどうやってプログラミング言語を学ぶのか、その方法からおすすめの言語、そして腕を競うためのコンテストまでご紹介します。

手段はいろいろ!高校生がプログラミングを学習する方法

早速、高校生のプログラミング学習の手段を3通りご紹介します。オンラインサービスの発達によって、自宅での学習もできるようになりました。

短期のワークショップに通う

最初の一歩を踏み出すのによいのが、短期で開催されているワークショップに参加することです。小学生から高校生のような子供を対象としたワークショップが近年増えており、短期間でプログラミングの基本について学ぶことができます。土日の1日ワークショップや、夏休みに開催されるサマースクールなどがありますので、調べてみましょう。

こうしたワークショップは、特に「プログラミングを学ばせたいが何から始めればいいのか親も分からない」という場合におすすめです。まさにそうした親子を対象としていますので、きっかけには最適と言えるでしょう。参加費も無料から数千円程度と比較的低価格に設定されています。

プログラミング教室に通う

受験勉強のために学習塾へ通うのと同じような形で、週1回程度のペースで定期的にプログラミング教室へ通うのもおすすめです。まずはワークショップに参加させて、子供が興味を持てそうかどうか見極め、そのあとプログラミング教室の無料体験に連れて行くという流れがよいでしょう。

プログラミング教室のメリットは、目標を持って計画的に学習できることです。「1か月後までに○○をするプログラムを作る」など、作りたいものを決めるのがベストでしょう。大人からすると「どんな言語を学ばせればいいのか?」と考えてしまうかもしれません。しかし、どの言語を学ぶのかについては、ある程度プログラミング教室側に任せても問題ありません。子供向けで役に立つ言語を知っていますし、いろいろなコースもあります。理解できないところは先生がサポートしてくれるはずです。

一般的なプログラミング教室は、先生1~2人に対し子供数人から20人程度のことが多いです。中にはマンツーマンで受講できるところもあります。周りの子供と切磋琢磨しながら学ぶのがよいのか、あるいはじっくりサポートしてもらった方がよいのか、子供の性格や能力を考慮して選ぶとよいでしょう。

オンライン通信で学ぶ

ワークショップやプログラミング教室は、残念ながら全国どこでも展開されているとは言えません。やはり東京や大阪などの大都市がほとんどであり、地方ではまだまだ少ないのが現状です。調べてみたけれど、近くにプログラミング教室なんて存在しない……そんな人も多いでしょう。

その場合は、オンラインスクールへ入会する手があります。インターネット環境とパソコンさえあれば自宅で学習できますから、近所にプログラミングを学ぶ場のない家庭にとっては選択肢が増えるでしょう。

ディスプレイ越しに先生が教えてくれたり、自習形式であっても質問できるようになっていたりするので、安心です。自分の理解度や生活スタイルに合わせて自由に進められるので、自分のペースで進めたい場合におすすめです。

オンラインで学習していると、ソフトの更新が容易なため最新の教材を手に入れやすく、段階的に学ぶことができます。

初心者も安心!高校生が学びやすいプログラミング言語

JavaやJavaScript、PHPなど膨大な種類のプログラミング言語の中で、おすすめのものをご紹介します。

HTML、CSS

まず挙げられるのは、HTMLとCSSでしょう。HTML(Hyper Text Markup Language)はWebページを作成するために開発された言語です。難解なアルゴリズム(計算方法)がないため、数あるプログラミング言語の中でも比較的取り組みやすいとされています。

HTMLをマスターできると、Webページの表示や動作の仕組みが理解できるようになります。そして自分でもWebサイトを作成できますから、習熟すればするほど目に見える形でできることの範囲が広がります。その意味でも、初心者がモチベーションを維持して学習し続けやすいと言えるでしょう。

CSS(Cascading Style Sheets)とは、HTMLなどで作成されたWebページの装飾を定義する言語です。HTMLと組み合わせて用いられます。Webページ内の文字の大きさや色、ページ自体のレイアウトなどの「スタイル」を指定しています。HTMLと一緒に学習することをおすすめします。

Ruby

Rubyは、主にWebアプリケーションやそのベースとなる業務システムに用いられるプログラミング言語です。Ruby以外の多くの言語が欧米出身者によって開発されたのに対し、Rubyは日本人のまつもとゆきひろ氏によって開発されています。日本人が手がけているため、最新情報を英語ではなく日本語で入手できるのがメリットです。

初めてプログラミングを学ぶ人の中でも、Rubyはよく使用されます。Rubyはコーディングしやすさに配慮された言語であり、直観的なプログラミングが可能です。また柔軟性が高く、計算方法や記号の意味などをプログラマー自身が追加・変更・削除できます。

Python

近年注目を集めるプログラミング言語の一つが、Pythonです。Webシステムの開発だけではなく、人工知能(AI)や機械学習、ビッグデータ分析など新たなテクノロジーの開発にも用いられていることで、高い人気を誇っています。

Pythonの文法は他の言語と比較してシンプルであり、少ないコード行数で複雑なプログラムを構築できるようになっています。そのため、プログラミング初心者でも読みやすくコーディングしやすいとされています。

スキルの腕試しに!プログラミングコンテストの魅力

プログラミングにテストは存在しませんが、各地で腕を競うコンテストが開催されています。こうしたコンテストに参加して、スキルの腕試しをするのもよいでしょう。

プログラミングコンテストとは?

プログラミングコンテストでは、与えられた課題を実現するプログラムを作成し、その精度やプログラムの動作の独創性などを競います。グレードの高いコンテストともなると、入賞すれば賞金をもらえることもあります。

課題の例としては、あるWebアプリケーションにおけるセキュリティ上の問題点を探すものや、ゲーム用のAIを開発して対戦させるものなどがあります。学習している言語を対象としていて、興味の持てるコンテストをインターネットで探してみるとよいでしょう。

プログラミングコンテストに参加するメリット

プロブラミングコンテストに参加するメリットは、3つ考えられます。

まず、プログラミングスキルの腕試しができることです。高校の定期試験のように、プログラミングスキルを採点するテストは存在しません。自分のプログラミングスキルが他の開発者と比べてどれほどのものなのか、客観的に把握する絶好の機会がプログラミングコンテストなのです。

また、他のエンジニアが作成したプログラムを目の当たりにできるのもメリットです。どうしてもプログラミング学習は個人作業の側面が強いので、学習を進めるうちにコーディングの癖が出てきやすいです。自分では気づかなくても非効率的なコーディングをしてしまっているケースも少なくありません。他の人のプログラムを通じて癖に気づけるわけです。

「プログラマー仲間」に出会えるのもコンテストの魅力と言えます。高校生でプログラミングを学んでいる人はまだ少なく、なかなか身近に同じプログラミング言語の知見を持つ仲間を見つけるのは難しいかもしれません。そこでコンテストに参加することで、仲間を作り切磋琢磨できるでしょう。モチベーションや競争心を高めるのに、仲間の存在は大きな意味を持つはずです。

高校生が参加できる全国規模のコンテスト

高校生でも参加できるプログラミングコンテストをご紹介します。まずは、国内で開催される全国規模のコンテストです。

・U-22 プログラミング・コンテスト

U-22 プログラミング・コンテストは、優れた若手人材の発掘を目的として1980年から経済産業省主催で実施されているコンテストです。作品提出型で、22歳以下であれば誰でも参加できます。習得しているプログラミング言語は問わず、作品とプログラム実行動画、ソースコードを提出すればよく、参加費用はかかりません。

・Unityインターハイ

Unityインターハイとは、ゲーム開発のプラットフォームである「Unity」を使ったゲーム開発の全国大会です。ゲームの完成度や独創性を競って全国優勝を目指します。Unityインターハイのホームページで過去のゲームをプレイしたりプレゼン動画を閲覧したりできるので、Unityに興味を持っているならば見せてあげるとよいでしょう。

・全国高等専門学校プログラミングコンテスト

全国高等専門学校プログラミングコンテスト(通称「プロコン」)は、高等専門学校(高専)の教員が中心となって毎年開催されるコンテストです。高専生しか参加できませんが、予選を通過すると本戦参加に加えて「NAPROCK 国際プログラミングコンテスト」という国際的なコンテストへの参加権を得られます。

・アプリ甲子園

アプリ甲子園は、スマートフォンアプリ開発専門のプログラミングコンテストです。一般的な「開発部門」に加えて、2018年大会からは「アイディア部門」が新設されました。そのため開発力に自身のない高校生でも、斬新なアイディアだけを提出して審査してもらうことができるようになりました。

高校生が参加できる国際規模のコンテスト

海外の高校生も含めた、国際的な規模のプログラミングコンテストをご紹介します。

・中高生国際Rubyプログラミングコンテスト

Rubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏が審査委員長を務めるプログラミングコンテストです。「国際」と名前がついており海外の中学生・高校生も参加可能ではありますが、日本の企業がパートナーとなり日本で行われる大会であるため、英語ができなくても問題ありません。

・The Best Mobile App Awards

モバイル端末(iPhone、iPad、Android、Windows Phone)のアプリを対象とした国際的なプログラミングコンテストです。特定の日に会場に行く必要がなく、自分のアプリを提出すれば審査してくれます。毎月のようにさまざまなタイプのコンテストを実施しているので、スケジュールに追われることもありません。海外の大会ですが、比較的参加しやすいコンテストと言えるでしょう。

・Imagine Cup

Imagine Cupは、マイクロソフトが主催する世界的なプログラミングコンテストです。毎年世界中の各都市を会場として実施されており、2018年はアメリカのシアトルで行われました。「マイクロソフトの開発ツールや言語が望ましい」とはされていますが、必須条件とはなっていません。近年は、特にAI や MR/VR/ARなど最新のテクノロジーにフォーカスしたコンテストとなっています。

プログラミングを学んで未来を創る高校生になろう

IT(情報技術)はもはや1つのプラットフォームとなり、あらゆるビジネスや生活の隅々にまで浸透しています。その基盤となるプログラミング言語は、まさに未来を創る基本ツールと言えるでしょう。プログラミングの知識=未来を創る能力を子供に身に付けさせてあげてはいかがでしょうか。

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