Javaは大企業でのシステム開発やAndroidアプリの開発などで幅広く利用されており、Google三大言語のひとつとして根強い人気を誇っています。そのため、プログラミングを学ぶ際にJavaを選択する人も多いことでしょう。しかし、Javaは他のプログラミング言語に比べて難易度が高く、初心者が独学で学ぶのは難しいといわれています。
そこで今回は、Javaを効率的に学べる独学方法や、習得するメリットについてご紹介します。
Javaを学習するメリット
RubyやPHPといったWeb系プログラミング言語に比べて難易度の高いJavaですが、言語としての機能が高いため、学習することでさまざまなメリットが得られます。
オブジェクト指向が身に付く
オブジェクト指向とは、プログラムの処理を一から構築するのではなく、既にあるものを組み合わせて新しいものをつくるという考え方をいいます。
Javaはオブジェクト指向のプログラミング言語になるため、学習する上ではオブジェクト指向の習得が必須となりますが、これはPHPやRubyといったほかの言語ではあまり深く学習しない場合が多いのです。そのため、Javaを学ぶことでしっかりとしたオブジェクト指向を身に付けることができます。
利用できるシーンが多い
Javaは「JVM(Java Virtual Machine)」という仮想マシン上で動くプログラミング言語で、プラットフォームに依存しないという特性を持っており、JVMさえ入っていればiOSやAndroid、Mac、WindowsなどのOSを気にすることなく、あらゆるデバイスで使用することが可能です。
また、処理速度が速い・セキュリティが高い・ライブラリが豊富といった魅力も兼ね備えているため、Webアプリや大規模システムなど世界中の幅広いサービスで利用されています。
扱える人材の需要が高い
Javaはアプリ開発やWebサービス、医療関連などのさまざまな分野で利用されているため、Javaを扱える人材の需要は高いといえます。それにより、技術者側としても企業の一社員として働くのではなく、フリーランスとして活躍している人も増えているのです。
そんな中、将来のIT技術者不足が叫ばれており、2020年には深刻な問題になると懸念されています。そのため、Javaを扱える人材の需要は今後さらに高まるでしょう。
Javaの難易度と独学で学ぶステップ
数あるプログラミング言語のなかでもJavaは比較的難易度が高い言語とされていますが、具体的にどういった部分が難しいのでしょうか。
Javaの学習難易度
一般的に、「JavaとC言語」は難易度が高く初心者に向かないとされています。初心者に向かない主な理由をまとめました。
【Javaが初心者に向かない理由】
バグ解析に高度な知識が要求される
将来性を見据えた設計が必要
プログラミングをして実際にモノを動かすとなると、意図しない動作やエラーが出ることがあります。その際は正しいプログラムに修正する必要がありますが、不完全なプログラミングを行ってしまうと、作成途中のアプリケーションどころかパソコン自体に被害が出たり、他のアプリケーションに影響したりする場合もあるのです。
また、Javaを仕事として使用する場合は大規模なシステム作成が多く、後からでも拡張しやすい設計が要求されます。これには、プログラミング以外にも幅広い知識や経験が必要になってくるため、経験のない初心者には困難だといえるでしょう。さらに、誤った設計をしてしまうとアプリを根本からつくり直す必要も出てくるため、それなりの技術を持った人材が行うべきだといえます。
とはいえ、オブジェクト指向を理解すればJavaを習得しやすくなりますので、段階を踏んで学習を進めるのがおすすめです。
独学する際の主なステップ
初心者がJavaを独学する場合、まずは基本的な文法から学んでいきます。最初は「値」「変数」「制御構文」の3つを学び、その後「クラス」や「メソッド」「フィールド」などを学習するとスムーズでしょう。これらの文法はプログラミングの基盤となる部分ですので、時間をかけてしっかりと学ぶ必要があります。文法を理解できたら、今度は実際に書いてみて動作を確認してみましょう。
その後は、標準ライブラリやフレームワークを学び、簡単なプログラムを楽しんでみるというのもおすすめです。
Javaを独学で学習する方法
インターネットが普及している現代では、難易度の高いJavaもさまざまな独学方法で学習することができます。ここでは、おすすめの学習方法をみていきましょう。
書籍を読む
書店ではJavaについての書籍が販売されており、その種類は実にさまざまです。書籍では体系的に学習を進めることが可能で、Javaに関する知識のほか、問題の解説や類題も学習できます。また、学習内容が章ごとに分かれているため、独学でも学習目標が立てやすいというメリットもあります。
とはいえ、世の中にはかなり多くの書籍が存在しますので、どれを選べば良いか迷ってしまう人も多いでしょう。効率よく学習を進めるためには、できるだけ「図解が多い」「専門用語の解説がある」「サンプルコードがある」といった書籍を選び、理解のしやすさを重視するのがおすすめです。
【Javaの独学におすすめの書籍】
・これならわかる!java入門講座 (秀和システム)
・楽しく学ぶJava入門1日目(はじめてのJavaプログラミング) (インプレスR&D)
・新わかりやすいJava入門編( 秀和システム)
・ゼロからわかる Java超入門(技術評論社)
・プログラミングの基礎からしっかり学ぼう!Javaレッスンブック(Wiz Publishing) など
学習サイトを利用する
インターネット上にはJavaに関する学習サイトも多く存在しており、なかには初心者向けのものもあります。こういったWebサイトではプログラミングを実際に書いたり、体系的に学んだりすることができ、自分の使いやすいサイトを使って学習を進めることが可能です。
ただし、しっかりつくり込まれているサイトの多くは有料版サイトになりますので、費用をかけずに学習したい場合は注意しましょう。
【Javaの独学におすすめのWebサイト】
・ JavaDrive
・エンジニアの入り口
・一番かんたんなJava入門
・ドットインストール
・Tech Institute など
アプリを利用する
近年ではパソコンだけではなく、スマートフォンでプログラミングを学ぶこともでき、時間を選ばずに自分のペースで学習できるのが特徴です。より実践的に学ぶのであればやはりパソコンの方が効率的ですが、知識を得たり、大枠を理解したりするような学習であれば、スマートフォンでも十分可能です。
また、アプリはクイズ形式になっているものも多いので、ゲーム感覚で手軽に学べるのも魅力でしょう。
【Javaの独学におすすめのスマホアプリ】
・Pocket Programming
・Udemy
・Udacity など
Javaの独学で大きな将来性を手に入れよう
Javaは学習難易度が高いことで知られていますが、現代ではさまざまな学習方法が存在しているため、初心者でも独学がしやすくなっています。とはいえ、初心者にとってはプログラミング自体が複雑な知識となりますので、まずはJavaの特性である「オブジェクト指向」をしっかりと理解し、段階を踏んで学ぶことが大切です。
また、Javaは比較的古いプログラミング言語となりますが、「OSに依存しない」「処理速度が速い」といった魅力がたくさんあり、Webサービスや医療関連システムなどさまざまなシーンで利用されています。これにより、Java技術者の需要は今後さらに高まっていくことが考えられますので、この機会にぜひJavaの独学にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。