おすすめの食育絵本8選|食ベ物への感謝の気持ちと食習慣が身につく

おにぎりを食べる女の子

幼児期の食事は、成人してからの健全な食生活を形作る鍵だということをご存じでしょうか?大切なお子さんが、生きるための基本的な知識を身につけ、食べ物への感謝の気持ちをもつためにも、幼児期にきちんとした食育を施すことが重要です。ここでは、ご家庭でどのように食育をしていけばよいかとお悩みのお母さん方に向けて、食育に関する絵本の紹介と、食育の効果を高める方法についてご説明していきます。

幼児期の食育の重要性

食生活の基本が身につく幼児期に、どのような教育を受けるかは非常に重要です。さまざまな食材がどのようなかたちで自分の血肉になるのかをしっかり教えてあげましょう。

●幼児期は食習慣が身につく時期

「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは「3歳ごろまでに受けた教育によって形成された性質・性格は、100歳になっても変わらない」という意味です。幼いころのしつけや情操教育がその人の人生に大きな影響を与えることはよく知られており、幼児期に身につけた生活習慣や考え方もそれと同様です。
ふいに「人の身体が何でできているか」と問われると、「肉」や「骨」といった答えを思い浮かべがちですが、実は人の身体を形作るものは、その当日までに食べてきた「食べ物」に他なりません。自分の身体は、食べ物でできていると考えると、適切な食習慣を身につける重要性にも思いがいたることでしょう。

お子さんが幼いうちから、適切な食習慣を身につけられるように教育していくことは、親御さんの大切な役割のひとつでもあります。

●食材への抵抗を減らすことが大切

食育の基本は、食に関する知識を深め、食を選択する力を身につけることで、健全な食生活を実践することです。これは生きるための基本的な知識でもあり、食材を大切にする気持ちを育てることでもあります。さまざまな食材に触れることが、食材への抵抗を減らすことにつながり、好き嫌いが減っていくという一面もあるでしょう。

こうした知識を身につける方法としては、実際の調理を一緒に行うことが望ましいです。しかし、働いていたり、兄弟の多かったりするご家庭の場合は、なかなか難しいのも現実です。そうしたお母さん方におすすめしたいのが、食育絵本の読み聞かせになります。

絵本では、食材がキャラクターになっていることが多い傾向です。「食材への愛着がわきやすい」「食材がどこで生産され、どのように食卓に並ぶのかがわかりやすい」など丁寧に絵本を通じて説明してくれます。さらに、食材本来の姿がイラストで示され、何度も繰り返し親しむことが可能です。また、食材への感謝や食事のマナーを学べるものも少なくありません。栄養に関する基本的な知識や働きを知るという意味でも、食育絵本をぜひご活用ください。

おすすめの食育絵本

いざ食育絵本を買おうと書店に足を運んでも、ずらっと並んだ絵本を前に選びきれなかったという親御さんに向けて、ここでは、おすすめの食育絵本をご紹介していきます。

●食事への感謝・マナーが学べる絵本

「いただきまあす」

作:わなたべしげお 絵:おおともやすお/出版:株式会社福音館書店
「さあ今から食事するぞ」というくまくんの姿から、悪戦苦闘しながら食事をとる自分の様子を思い浮かべてクスクス笑ったり、自分のマナーはどうなのだろうと考えたりすることができる絵本です。シンプルな言葉と、くまくんのユーモラスな姿を通して、食事の楽しさを親子で確かめてください。

「げんききゅうしょくいただきます!」

作・絵:つちだよしはる/出版:株式会社童心社
よく知っているおじいさんやおばあさんが作ってくれた野菜でできた給食。作ってくれた人の顔が思い浮かぶのは、「げんききゅうしょく」だから。食べることは生きること。おいしい給食を通して、そんな大切なことを学べる絵本です。

「しろくまちゃんのほっとけーき」

作・絵:わかやまけん/出版:株式会社こぐま社
しろくまちゃんがお母さんと一緒にホットケーキを作るという内容の絵本。ロングセラーである「こぐまちゃんえほん」シリーズの中でも、ファンの多い一作です。ホットケーキを作る工程が楽しい音と絵で表現されていて、料理の楽しさを教えてくれます。


●食材の栄養やその働きを学べる絵本

「たべるのだいすき!―みんなげんき」

作:吉田隆子 絵:せべまさゆき/出版:株式会社金の星社
食べ物を栄養や働きで4つのグループに分け、身体にどんなふうに役立っているのかをわかりやすく解説してくれる絵本です。普段食べているものがどのグループに入るのかと、親子で話し合ってみるのも楽しいかもしれません。

「おなかのこびと」

作・絵:よしむらあきこ/出版:株式会社教育画劇
おなかのなかにすんでいるこびとは、ぼくが食べすぎたり、飲みすぎたり、寝ながら食べると困ってしまう。食事のマナーを、お腹の中に住む小人の様子を通して楽しく教えてくれます。自分の好きなように食べようとする幼児が、自分の様子にはっと気づける絵本です。


●食材本来の姿が学べる絵本

「食べもの“ぺろっと”まるわかり! いただきます図鑑」

監修:山本謙治・ぼうずコンニャク 絵:長澤真緒里/出版:株式会社池田書店
お嬢様キャラのお寿司「とろ姫」やうんちくと筋トレ好きのほうれん草「ほうれんじいじ」など、食材がキャラクター化し、漫画に解説ページにと大活躍してくれる図鑑です。食べ物をストーリーとして知ることができ、子供の興味をおおいに刺激してくれます。

「しんでくれた」

作:谷川俊太郎 絵:塚本やすし/出版:株式会社佼成出版社
詩人・谷川俊太郎が、「はんばーくのためにしんでくれたうし」を通して、命をいただく意味をうたった詩です。生き物は生き物の命をいただかなければ生きていけない、そして命を輝かせることができない。その真実を子供に力強い絵とともに伝えてくれる絵本です。

「やさい もぐもぐ」

作・絵:ふくざわゆみこ/出版:ひかりのくに株式会社
絵本を読んでいるとき、その中に出てくる食べ物を食べたくなった経験はありませんか?この絵本は、小さな子供に、絵本の中の食べ物をつまんで「あーん」と食べる楽しみを提供してくれます。色鮮やかでカラフルな食べ物の数々に、きっと夢中になることでしょう。


食育絵本を効果的に活用する方法

世の中にあふれるさまざまな食育絵本。その内容をより身近に感じるためには、どのような読み方をしていけばいいでしょうか。

絵本を読み聞かせる

絵本は、子供の心にすっとしみこむ言葉と絵を持っているものですが、より深く子供の心に届ける方法は、親御さんがその絵本を読み聞かせてあげることです。読み聞かせの時間は、親子でひとつの絵本に向かい合う時間。絵本の内容と時間を共有することで、互いの思いがひとつになり、子供の反応を知ることもできます。子供がその内容にどんな反応を示し、何を不思議だと思っているのかを親が理解でき、その場にふさわしいリアクションを取れるのも、読み聞かせのメリットです。

絵本で学んだことを食事の席で実践する

せっかく食育の絵本を読んだからには、ぜひ食事の席で絵本の内容を話題にのせてください。「どのような野菜があり、どのように身体に働いてくれるのか」「どのような経路でこの食卓まできた食べ物なのか」「食べるときに気をつけるべきマナーは何なのか」など、食事の席で話すべきことはたくさんあります。

さらに、食事の準備や片付けなどを子供に手伝ってもらい、実践で身につけることも大切です。調理前の食材を目の前にすれば、絵本の内容がより身近に感じられるということもあるでしょう。こうした実践の場は、親子のコミュニケーションの場でもあります。絵本を通して教えてもらったことを一緒に実践することで、食べることは生きることであり、命をいただくことだとより深く理解していくことができます。

食育絵本を通して命の大切さを知ろう

食べ物をいただくことは、命をいただくことです。命をいただくことで、僕たち、私たちが命を輝かせることができるということは、生きるうえでの基本のようでありながら、なかなか普段は実感できないことが現実です。

食育の絵本は、こうした真実をやさしい言葉とカラフルな絵を通して教えてくれる、大切な存在といえます。親子でこうした絵本を読み、互いの思いを言葉にする時間は、かけがえのないものとなるでしょう。

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