成果が出やすい勉強法|子供の学力を効果的にアップさせるには?

勉強中の2人の少女

「どうすれば子供が勉強するようになるのか」「子供にとってよい勉強法はないのか」というのは、子供を抱える保護者にとって永遠のテーマです。育児雑誌やインターネット記事ではさまざまな勉強法が紹介されており、情報の取捨選択だけでも大変なものです。

今回は、子供に合った効率的な勉強法を見つけられるように「繰り返し」「時間管理」「隙間時間の活用」の3点からアドバイスさせていただきます。

繰り返しを活かした勉強法

確実に知識やスキルを定着させるには、繰り返しがベストです。オーソドックスではありますが、繰り返しを活かした方法を3つご紹介します。

繰り返し教科書を黙読・音読する

効果的であるにもかかわらず、多くの人がやっていない勉強法が「教科書の繰り返し」です。教科書の本文や解説はテストを作るときの参照元であり、最も重点的にチェックすべき情報源にほかなりません。教科書を繰り返し読み込むことで、自然と内容を覚えられるようになっていきます。「覚えられない」という人は、決して記憶力に難があるのではなく繰り返しの回数が不足しているだけです。

ただし、繰り返しの方法論にいくつかポイントがあるのも確かです。まず、引っかかった問題や満足に理解できない箇所などをチェックしながら進めさせてあげることをおすすめします。次回以降に繰り返すときは、チェックしたポイントを理解できるよう意識することになります。

黙読だけでなく、音読もおすすめです。理解できていないことは、スムーズに音読できません。音読によって視覚と聴覚の両方に働きかけるため、記憶に残りやすいと考えられます。覚えられない固有名詞(人物名や地名など)、理解できない文章などを繰り返し音読することで覚えるようにしましょう。

そして音読後は、自分が音読した内容を分かりやすく要約させてみましょう。家族に口頭で説明させるのもおすすめです。他人にも明解な形で要約できるかどうかは、理解度を測る最良のバロメーターといえます。

同じ参考書を繰り返し解く

教科書だけだと、問題を出されたときの対応力に不安が残るでしょう。算数(数学)のような教科はもちろん、暗記の必要な教科であれば参考書や問題集を繰り返し解かせるのが効果的です。複数の解き方で繰り返し問題に取り組んだり、完璧に記憶できるまで繰り返し暗記したりするように子供を動機づけましょう。

書店には魅力的な参考書が数多く並べられており、不安からつい似たようなものをたくさん購入しては消化不良に陥ってしまうものです。何冊も使用せず、1冊を繰り返して完璧に仕上げることを意識してみてください。最近では質の低い参考書は大幅に減っているため、ポピュラーな(書店に平積みされているような)ものであれば、こなして全く意味がないというリスクは下がっています。

もちろん、子供自身のレベルや志望する学校のレベル、問題タイプに適した参考書がベストです。特に、難しすぎる参考書を選んでしまうと苦しい思いをしやすいです。子供のことを考えると 、大人から見て「ちょっとやさしいかな」と感じる程度の参考書がベストであるケースが多いです。

繰り返し書く

暗記するときは、手で繰り返し書き出す癖をつけさせるのもおすすめです。難しい漢字や英単語であれば誰でもやっていますが、それ以外でも固有名詞を書き出すようにするとよいでしょう。

時間を決めて行う勉強法

勉強のコツとして、自分に合ったスケジュールやペースを見出すことが挙げられます。ここでは、一般的な時間管理方法についてご紹介します。

勉強時間をストップウォッチで測る

いきなり「平日は2時間、休日は5時間として、平日は7時から9時、休日は……」など具体的なスケジュールを決めても、なかなかうまくいきません。勉強を習慣づけるには、まず、子供自身の勉強の「癖」を知ることから始めましょう。

そのためにも、ストップウォッチを使って1週間や1ヵ月間の勉強時間、そしてその時間でどれくらい勉強が進んだのか記録をつけてください。勉強時間と成果を記録していくことで努力の成果が見えやすくなるのに加えて、子供がどの時間帯でどれくらいの時間は集中力が続くのか、あるいは深く集中できるのか見えてきます。

また、ストップウォッチには、制限時間を子供自身に意識させる効力もあります。長時間机に向かっても、その大半は集中していないこともよくあるものです。「問題5問を30分で解く」など、細かく制限時間を決めることで緊張感が生まれて、勉強の効率が上がります。

本当に集中していれば、それほど長く勉強時間を設ける必要はないのではないでしょうか。勉強時間と内容を記録することで、子供がやる気を維持しやすい時間管理方法や勉強の時間帯を見つけましょう。

朝と夜で勉強内容を変える

個人差はありますが、勉強時間を小分けにして朝と夜で勉強内容を変えるのはおすすめできます。前述の通り、長時間の集中は難しいですから、むしろ小分けにして一回当たりの勉強時間を短くしてしまうのです。

そして、たとえば朝はアウトプット、夜はインプットなど勉強内容を変えます。ここで「アウトプット」とは、勉強内容を覚えていることの確認です。そしてインプットは、暗記や教科書の黙読・音読を指します。夜にインプットした内容を翌朝アウトプットで復習するわけです。

睡眠中に記憶が整理されるといわれているため、睡眠前はインプットが適しています。また、アウトプットが適していると考えられるのは、脳にも身体にも疲労がない朝です。 まずはこのサイクルを意識して勉強のスケジュールを作ってはいかがでしょうか。

もちろん個人差がありますし、生活習慣の事情で上記のスケジュールが合わない人もいるでしょう。子供の勉強スケジュールを考える保護者としては、子供に無理強いできないケースもあると思います。まずは「夜インプット→朝アウトプット」を1~2週間ほど試してみて、定着させるのが難しいようであれば自分なりにカスタマイズすることをおすすめします。

隙間時間を活用する勉強法

忙しい現代の子供の勉強時間を捻出するのであれば、隙間時間の活用は必要不可欠です。ここでは、2点だけその方法をお伝えします。

教科書の内容を録音して聞く

子供に教科書を音読させ、その内容を録音しましょう。移動中や待ち時間で本を読むことはできなくても、録音した内容を聞くことはできるはずです。一度録音すれば、通学をはじめとした隙間時間 に気軽に取り組めます。

視覚的に繰り返すだけでなく、聴覚の面からも繰り返しインプットすることで覚えやすくなるでしょう。隙間時間で少しでも暗記や理解ができると、時間を有効活用できて気分がよくなります。

単語カードをチェックする

少しでも自分のスペースを確保できるなら、単語カードのチェックに時間を充てるのもよいでしょう。単語カードを使うと、覚えなければいけない範囲の中でどれくらいの割合を覚えたか分かりやすいです。

「単語カード」と聞くと英単語を暗記するときに使うイメージですが、それ以外の科目でも使用できます。白紙の単語カードを購入し、自分で覚えるべき固有名詞や単語を書き込むのです。自作の単語カードだと、印象に残りやすいです。

勉強法の基本は自己理解と習慣化

巷にはいろいろな勉強法に関する情報が出回っていますが、最も大事なことは「自分に合った勉強法を見つけること」です。一般的によいとされている勉強法でも、自分に合わなければ意味がないのです。したがって、まずは子供の勉強時間と内容、集中度などを記録に残し、勉強しているときの「癖」を見つけることから始めましょう。

また、勉強は習慣化と継続が命です。スケジュールや隙間時間の使い方など、子供の生活スタイルに無理なく勉強を組み込めるよう工夫してみてください。

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